昔好きだった音楽が響かなくなった話
ナンバーガールが再結成されたと巷で騒がれている。
ナンバーガールのことには詳しくないけれど、前に付き合っていた9歳年上の彼が好きだったので、聞いたことがある。ぼんやりとした印象しかないけれどらガチャガチャとしたロック、向井秀徳が変わった人、という印象しかない。でも、好きだった人にとっては、こんなに嬉しいニュースはないだろう。
ナンバーガールは、世代ではないので聞いて来なかったが、私も学生時代はロックが好きだった。ドレスコーズ、くるり、フジファブリック、ハイエイタス、Oasis、Primal scream、Sonic youth。あの頃はとにかくこれらのバンドが大好きで、ライブやフェスを駆けずり回っていたけれど、今はほとんど心を動かされなくなってしまった。
当時、どんな気持ちで音楽を聴いていたのかというと、何かをやりたい、誰かに認めて欲しい、自分は周りとは違うんだから、そんな思いばかり抱えていて、誰にも認められない時や、親しい人と想いがすれ違ったときの行き場のないフラストレーションを、曲に乗せて浄化していたのだと思う。反骨精神や不満。そんなものをよく感じていた。
最近の私はどうかと言うと、漠然とした不満を感じることはなくなった。それよりは、日常の些細な幸せをや、丁寧に生活すること、自分の感情の動きを丁寧に観察して汲み取ること、そんなことに意識を向けるようになった。
そのせいもあるのか、最近聞く音楽はあいみょんや、バラードに近いもの、クラシックなどを好んで聴いている。随分丸くなったし、落ち着いたように思う。
昔聞いた音楽を当時のような気持ちで楽しめないことは少し寂しいけれど、私は今の自分の方が好きである。そう思える今があるのなら、歳をとるのも悪くないと思う。昔の音楽が響かないのは、日々一生懸命考えながら壁にぶつかって生きて、変化してきた証拠なのだから。